鈴木畳店の日常を紹介するブログです。

2013年6月11日


少し前になりますが、新潟市の映画館で、”先祖になる”という映画を観てきました。

この映画は、陸前高田で、林業を営む佐藤直志さんの、震災後からの生き様を丁寧に撮った映画です。

佐藤さんは、77歳。震災で息子を亡くし、お母さんと、嫁さんの3人で、避難所に移らず、津波に遭った家で、暮らしています。2階の腰のあたりまで津波が来たにも関わらず、家はしっかりと残っています。その代わり壁はすべて剥げ落ち、柱だけが立っているような、隙間だらけの家で、自炊生活をしています。

そして、春には、米を作り始めます。祭りには、率先して参加し、達筆な字で祭りの手助けをしています。(祭りの祝儀の字は、ほんとすごく素敵でした。)山から木を切り出し、来年建てる家の材とします。

佐藤さんが、云った言葉。”水さえあれば、人間は生きられる。”その通り、実践して避難生活を送っています。

そして、翌年、見事に新築の家を建てました。図面を自分で書いて、茶の間から真正面に朝日が見えるように作ります。

その新築の家で、ゆっくりとお茶を飲んでいる佐藤さんの姿…

すごく素敵な映画でした。新潟では、もう上映されていませんが、また何かの機会に見てください。

自然を受け入れる。自然とともに生きる。何かあっても、そこからまた生きていく。抗うことなく、かといってあきらめることなく、何か、そんな感じを受けました。