ここ、新潟県の畳屋さんで、棺に畳を敷く”おくり畳”を作っている方がおります。
その人は、M市にある畳店で、Nさんです。
正式名称は、儀典畳。
きっかけは、18年前になくなられた、母親の葬儀をきっかけに、人一倍畳に愛着を持っていたお母さんが、最後は、畳の上ではなくて、病院のベッドの上だったことでした。
葬儀で見た、棺の中に緩衝材として糸状の木くず“木毛”が敷き詰められていたことも、Nさんの気持ちを動揺させたそうです。
それで、最後の時に寄り添える畳を作ろうと考えたそうです。
今まで、全国でおよそ、3万人の棺に使われたそうです。
これを読んだ時、こんな方が、同じ新潟県にいらっしゃったのかとびっくりしました。
ちょうど、先日、「おくりびと」がアカデミー賞を受賞したという、タイミングで載ったのでしょうが、Nさんは、それよりも遥か前から、つくってらっしゃった。
この思いのすごさを感じ取らないわけには、行きませんでした。
最後の棺に送るとき、硬い板?ではなく、暖かい畳の上に載せて、送る。素敵なことです。
映画の中のおくりびともすごかったのですが、この畳で送るというしぐさは何ともいいようがありません。
ちょっと見た目では、見えないところですが、見えないところに心を配るという行為は、すべてのことに当てはまるように思えました。
いい心をもらいました。