鈴木畳店の日常を紹介するブログです。

2020年2月26日


 

最近読んだ本の中で、樹木希林さんのことを書いた本があります。

 

 

話している言葉の一つ一つが不思議な模様を描いてこちらにくるような、そんな文

がとてもたくさんあります。

 

たくさんある中で特に、気になった文を少し引用させてもらいます。

こちらから・・・・

”私の友人に重度の身障者をかかえた夫婦がいます。

「うちの子可哀想じゃないよ、自分の不自由さは自分で納得してるもの。それはそれ

で、親も子も楽しんでるよ」

貧乏でせまい家に住んでますが上手に生活しています。それ以来私は身障者に対し

て感じ方が変わりました。

下手な情は無用です。あの人も私も、いろいろ条件の違う処で生きてるだけで、特例

ではないんです。むしろ都合による情のかけかたが心をもゆがめちゃうんです。以前

車イスでバスに乗った人が、乗客にいじめられた事件がありました。どういう状況か

解かりませんが、車イスで普通のバスに乗ることは、相当不自然です。

世間の人は、思いやりがない、ひどい!と身障者をかばっていましたが、自分は不

自由だからいたわられて当然・・・・、という甘えがありはしないかと思うんです。

無理なことをするときには相当の難があります。こちらもひとに迷惑をかけます。

それを乗り越えた時に人は何かを感じ、得ます。だから有難い訳です。”

ここまで・・・

 

樹木希林さん特有の言い回しが妙です。

世間の常識でないところの、人を良く視ることの大事さを感じます。

樹木希林さんは、私は女優ではないのよ、役者なの。とよく言ってらっしゃいました。

”役者”

いい響きですね。希林さんにピッタリだと思います。

とにかく、引き出しをたくさんお持ちの人でした。

亡くなられて一年半ほどになりますが、とても残念です。

時々読み返してみようと思っています。

皆さんも、いろんな樹木希林さんの本がでていますので、一度手に取って読んでみて

ください。